ARTIST

西元 祐貴

墨絵・陶墨画アーティスト 西元 祐貴 Yuki Nishimoto

PROFILE

世界を舞台に活躍する、日本を代表する墨絵・陶墨画アーティスト。伝統的な技法に捕らわれず、「躍動感」「力強さ」を追求した作品を展開している。龍や侍などの古典的なモチーフから、スポーツ選手やミュージシャンなどをモチーフに描く。2015年には、陶土の板に釉薬で描き、高温で焼き上げる現代アート「陶墨画(とうぼくが)」を公開。
公式サイト→https://www.yuki-nishimoto.com

CONCEPT

混迷を極める世界において、大切なもののために己の傷をものともせず、前へ前へと進む命の躍動を、陶立体作品に刻む。その祈りを「龍」になぞらえ、「龍刻陶(りゅうこくとう)」と銘打った。
モチーフは森羅万象、この地球に生を受けた存在を、選び抜いた粘土で創作し、湧水で捏ね、成形し、乾かし、素焼き、彩色し、本焼きまで。
土と水と鉱物だけで作った陶の芸術を、1200度の焔で焼き締める。
一つ一つ丁寧に、西元自身が生み出していく全ての作品に、龍の想いを刻み、生命の息吹を封じ込める。その魂の醸成を感じていただきたい。一粒が万倍になるほどの勢いを味わっていただきたい。

「西元祐貴」という存在を初めて知った時の衝撃は忘れられません。東京にあるユニバーサルミュージックの事務所の壁面の、墨絵で描かれた龍を見た途端、武者震い。「この絵を描いたのはどなたですか?」と尋ね、西元祐貴と判明してすぐ、彼の住む福岡に飛びました。

「一緒に新しいものを作り上げましょう!」

という突撃な提案に、まさかの快諾をいただき、その翌月には福井の工房に来られて「陶板に墨絵の世界観を描き出す」という挑戦が始まりました。最初は失敗ばかりでうまくいかず、1年以上思ったような作品を焼き上げることはできませんでしたが、彼は一度も諦めることなく、「もう一回やってみましょう」「次は大丈夫です」と私が励まされながら、ようやく完成した夜は、眠れずに語り合いました。

それが「真龍漆黒」という作品です。そしてこの技法を含めたスタイルを、私たちは「陶墨画」と名付けました。以来、彼の挑戦は未だ続いております。無限にある釉薬の組み合わせに悩みながらの試行錯誤の毎日です。墨絵の一発勝負感覚ではなく、1枚の作品を完成させるのに3ヶ月かかってしまうという製作期間の長さも「楽しいです」と言いきる彼の横顔は、いつも爽やかで頼もしいのです。

そうやって毎年、新しいテーマに取り組んで制作してきた西元祐貴は、この度、「龍刻陶」をテーマに掲げ、立体作品に挑戦をしました。馬の中にある龍の魂を釉薬で表現した意欲作です。ぜひ、お手にとってご鑑賞ください。あらゆる角度からご覧いただければ銀河の様相が見えるはずです。

新しい挑戦は皆様の応援が力になります。引き続きのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

Pottery Artプロデューサー 鈴木幸一

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